穏やかに日々創想 (永岡ともよし別館)

 
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永岡ともよしです。この記事は何処のカテゴリに分類すれば良いのか、書いている本人が判断に迷っています。石野真子さんが登場するので「女性アイドル」なのか、ちょうど再演中の『誰がために鐘は鳴る』に絡めて「宝塚歌劇」なのか分りません。とりあえず今から33年ほど前、1978年の春に発売された作詞:阿久悠、作曲:吉田拓郎のお2人による「狼なんか怖くない」から始めましょう。

歌詞を掲載するのは禁則事項なので、それっぽい言葉を並べておきます。

(キスをする時に)
鼻が邪魔だと誰かが言っていた
古い映画の台詞だったかな?

こんな内容の部分があります。曲自体は聴いた事がありましたし歌詞も大体は把握していましたが、ここに書かれている「古い映画」が『誰がために鐘は鳴る』だったのですね。映画が公開されたのは1943年ですから、石野真子さんのデビュー曲として発売された「狼なんか怖くない」の歌詞に引用されるまで35年が過ぎていた計算になります。でも案外気付いている人が少なそうな関連が、実はもう1つあるのです。

シングル「狼なんか怖くない」の発売日は1978年3月25日だそうです。そして同じ年の5月~6月に宝塚大劇場、8月には東京宝塚劇場で上演されたのが、星組の出演による舞台版『誰がために鐘は鳴る』でした。映画ではG・クーパーとI・バーグマンが演じていたロバートとマリアは、当時の大スター・鳳蘭さんと新ヒロイン・遥くららさんの組み合わせです。ファシスト軍から逃れたスペインの少女マリアが、ゲリラに参加して戦う米国人ロバートと出会い、わずか4日の間に育まれた奇跡的な愛情の物語でもありました。

フランコの軍勢に襲われた共和制支持派町長の娘マリアは、辱めを受けて深い傷を負います。そしてゲリラの陣地で恋に落ちたロバートと交わす会話の中で、まだキスの経験さえ無かったマリアは鼻が邪魔にならないと気付いて嬉しそうに語るのでした。どんなに陽気に振舞っても破壊し殺戮する狼であるゲリラたちと、逃げ惑う可愛い子ウサギのマリアといった人間関係ですので、楽曲の題名も引用元の映画と結び付きを感じます。こうして1978年の春から夏にかけて、35年前の映画抜きには語れない歌と舞台が登場したのでした。再演となる宙組の『誰がために鐘は鳴る』は東京宝塚劇場で1月30日(日)までです。
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