穏やかに日々創想 (永岡ともよし別館)

 
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さくら咲く国へようこそ。永岡ともよしです。OSK日本歌劇団の南座公演は復活4回目、そして私にとっては2度目の夏がやって来ました。夜行バスでの移動を終えて、電車で何事も無く河原町駅に到着した私でしたが、川向こうの南座を目指して、四条大橋まで歩みを進めて仰天しました。あれは水の流れではありませんね。液体化した土砂が、まるで川沿いの施設を足元から削り取るように暴れ回っていました。そこには穏やかな観光地の表情は欠片ほども見つけられません。引きずり込まれそうな恐怖を感じました。

さて肝心のOSK南座公演の感想ですが、坂本龍馬を題材にしたミュージカル仕立ての第一部は、先に観たファンの意見にあった通り、構成に散漫さが否めませんでした。回り舞台やセリを備えた南座なのに、暗転が多いのも流れを途切れさせてしまい、まとまりを欠く原因になっていると思います。ただ個々の場面には惹かれる要素も揃っているので、前後の並びや転換の方法など、つなぎ方を見直せば遥かに充実した作品に再編成可能ですね。なお暗殺まで描かれますが、決して暗くは終わりませんよ。

第二部はギャンブル覚悟の実験的な場面が無くて、それを物足りなく感じる気持ちも幾らかあるのですが、全体には大満足で◎を付けたいショウになっていると思います。負傷休演で悠浦あやとさんの不在は寂しいものの、しっかり若手に任せる場面も用意されていて、現時点での100%に止まらない将来への期待も膨らませる安定感に満ちた作品です。特にダンスでは歯切れの良さと乱れないフォーメイションの魅力が印象に残りますね。もちろんラインダンスも素晴らしいですよ。私が大好きな『南太平洋』から、「魅惑の宵」や「バリハイ」が使われているのも嬉しくて、2010年南座公演の後半は何度でも観たいです。OSKを知らない人なら、圧倒されるのは間違いありません。それでは次回も、さくら咲く国でお待ちしています。
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