穏やかに日々創想 (永岡ともよし別館)

 
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永岡ともよしです。私は演劇ファンで、2015年はミュージカル系のコンサートを含めると、3桁に届く数の舞台公演を楽しみました。その中から2015年を代表するミュージカルを2本選ぶなら、宝塚歌劇団・宙組と来日公演の『TOP HAT』、そして新演出でキャスト全面入れ替えの東宝『エリザベート』を挙げます。『エリザベート』は東京公演だけだったので、同じ東宝公演なら各地を周った『レ・ミゼラブル』を選びたいのですが、好評だった前回のアンコール公演という色合いが濃くて、私は新生『エリザベート』にしました。

『エリザベート』に関しては新鮮さと実力を兼備した配役が魅力的で、特に花總まりさんについては、10年以上前から本来そうあるべきだった姿が実現して、開幕前は口汚く騒ぎ立てていたアンチの連中も、見事に沈黙させてくれました。厳密には黙ってはいないのですが、以前は花總さんを知らなかった観客の皆さんが素晴らしいと大合唱を始めたので、罵る言葉が隠れされて周囲には届かなくなったのでしょうね。

『TOP HAT』はアステアとロジャースの名コンビによる同名の古典的ミュージカル映画が基になっていますが、舞台版としては最近仕立て直された歴史の浅い作品です。しかしウエストエンドでの上演開始から大評判で、私も気になる公演の1つだったのが、先ず宙組が新・主演コンビお披露目で見事な舞台を披露した後、さらにロンドンからの来日カンパニーが徹底した娯楽性と高い技術を発揮して、それぞれ一年の前半・後半を通じた屈指の公演になりました。ミュージカルの多様性を確認出来る成果もありましたね。

ミュージカルの知識が乏しい人は、アステア時代のような古典スタイルの作品が、『レ・ミゼラブル』以降の新世代に駆逐されたと思い込んでいる場合が見受けられますが、事実は全く違います。流行を追う世間から見放されて、少し前の言い方だと「オワコン」に落ちていたミュージカルを、1980年代以降の作品が登場して急上昇させたため、古い作品が華々しく再演されたり、昔の映画が舞台版で再登場するのも当たり前になったのが真実で、だからこそ『TOP HAT』タイプの新作が今も数多く生まれているのです。
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