こんばんは、本日2度目の永岡ともよしです。実在の人物を描く劇作品は数多く、現在でも頻繁に上演されるミュージカルに限定しても、タイトルは幾つも挙げられます。「一国の最高権力者夫人の少女時代から亡くなるまでが登場する作品」と条件設定されて、ミュージカル好きなら何と答えるのでしょうか。『エリザベート』なのか、それとも『エビータ』ですか?
当時のアルゼンチン大統領ファン・ペロン氏の夫人だったエバさんが亡くなったのは、今から半世紀以上前の1952年7月26日でした。ところで希に「エヴァ」と表記している例を見掛けますが、アルゼンチンはスペイン語圏の国ですのでV(ヴィー)音はありません。お名前のEvaはエバが原音に近いカタカナ表記です。英語風なのだと反論されそうですが、英語ならEvaはイーヴァと読みます。
ブロードウェイ初演キャスト盤です 
ついエヴァと書いてしまう理由は簡単で、英語圏生まれの本作品中ではエバ・ペロンを含めて、みんなが英語を話すからです。それこそ英語風にアルゼンチンの名前を発音するので、Evaがエヴァになってしまうのですね。物語や音楽性の面でも、現地の感情や風土を汲み上げた作品でない点は、鑑賞する上でも忘れてはいけません。
そんな重大な不満を抱えながらでも、このミュージカルは魅力的です。私の個人的評価だけなら、アンドルー・ロイド・ウェバーさんの手掛けた作品の中で、『エビータ』が最高位に入ります。未見の方に御案内しておきますが、これは所謂超大作ミュージカルではなく、寧ろ抑えた規模で落ち着いた作風を特徴とする作品だと思います。
この映画版でも御馴染みでしょうか最も有名なのは「アルゼンチンよ、泣かないで」でしょうが、これも私の選択では「空を行く」を挙げておきます。映画ではアントニオ・バンデラスが演じた”チェ”が歌う1曲です。近年の劇団四季公演では芝清道さんのチェで聴きましたが、これは芝さんのように声のきれいな俳優さんに歌って欲しいですね。雰囲気を作るだけでは楽曲の美しさが削がれてしまいます。
最初に貼ったブロードウェイ盤でのチェはマンディ・パティンキンさんです。第2期まで出演した最近の人気TVシリーズ『クリミナル・マインド』など、すっかり容姿も変化していますが、30年近く前のブロードウェイ初演当時は20代で、ミュージカル俳優として高い評価を得ていました。本人名義のアルバムなどのCDも発売されていますので、興味のある方なら聴いて損は無いと思います。
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