皆さん如何お過ごしですか、永岡ともよしです。何週間か前にシドニーからの生中継で、レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ作曲のオペラ『天路歴程』を聴いて、感激したと書いた記憶があるのですが、今回は原作に相当する本を御紹介します。オペラについては別のページ(後日作成目標)を御覧下さい。
天路歴程 正篇 天路歴程 続篇本当は岩波から発売された文庫を表示したかったのですが、残念ながら正編(第1部)の方が出回っていないので、断念して値段の高い単行本の御案内に切り替えました。
ジョン・バニヤン John Bunyan(1628−1688)によって著された全2巻からなる『天路歴程』 The Pilgrim's Progress は、第1部が1678年、第2部は1684年に発表され、今日に至るまで世界中で愛読されている道徳的寓話です。
神の啓示を受けた主人公クリスチャン(基督者)は、「破戒の町」と呼ばれる故郷を離れて、救いを求めて「天の都」へと放浪の旅を続けます。その道中で基督者は様々な困難を体験し、そしてキリスト教の観点から不実とされる男たちに出会う過程で、真の信仰を理解していくのです。
私の限られた知識によれば、芥川龍之介さんも著作の中で何度か『天路歴程』に言及していたと思います。もっとも、子供時代の読み物としては『西遊記』には遥かに及ばないと、ずい分辛口の評価であった気がしますが、これは寧ろ『西遊記』の優秀さを印象付ける為に引用したものと考えるべきでしょう。
現代の日本で広く読まれているとは言い難いのですが、キリスト教圏に育った人々の異文化に向ける本質的な寛容性を理解するには、『天路歴程』は格好のテキストであると思います。救いを見出す人がある一方で、その独善・偏狭を苦々しく感じるのも読み手なりの受け止め方でしょう。確かに『西遊記』と対にするのは理に適った比較ですね。
原著は既に300年以上経過している有名作品ですので、ネット上で幾らでも閲覧が可能です。17世紀の英語が苦にならない方でしたら、1度目を通してみては如何でしょうか。作者の強い信仰に基づいたお話ではありますが、あくまで大衆を意識した寓話ですから、決して肩肘張らずに読んで欲しいと思います。感想があればお気軽にコメント投稿して下さい。
趣味系記事を全て本館に集中させる事にしたので、ちょっと傾向の違う話題で攻めてみました。次は再度アクセス数で挑戦してみるつもりです。最後に私の体調を気遣って下さった皆さん、本当にありがとうございます。もう元気になりましたので、普段通りに活動出来ます。気分も爽快ですよ。